天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

振動が大きくなってきた。




私を救う人が、


私の贖罪を手助けしてくれる人が、


近づいてきたのだ。





残っていた微かな力を振り絞って、目を見開いた。



足音が止まる。




その人物が、身を乗り出して覗き込んでいる。





でも、この目はもう、世界をはっきりとは映すことができない。




それでも、その人影は、優しく微笑んでいるように感じられた。





これで、もう、大丈夫だ……。