そこへ、料理が運ばれてきた。
プレートに盛られた焼魚と貝類の煮込みを持って来たのは、ほっそりとした長身の男だ。
頭部は布で覆われているが、よく見ると睫毛も眉もないのが分かる。
(……いや、やはり、間違いないな。
私が探していたのは、こいつらのはずだ)
煙草を咥えた男は、ココ・リフォーの頭の先から爪先までじろじろ見回した。
「…お客さん、見ない顔だな。
どこから?」
不審げな顔で尋ねてくる。
「…西、の方から」
あまり頓着ないように振る舞って、言う。
「………そうか。
ま、楽しんでってくれよ」
男は少し気にかける様子を見せながら、厨房へと戻って行った。
途中で、窓際の少年の頭を軽く小突き、話しかける。
「ちょっとは動けよ、セカイ。
チキュが忙しそうだぞ」
窓際の少年は、店内に視線をうつし、「…あ」と言ってゆっくり動き出した。
その声は、少し高く甘めの声ではあったが、やはり少年のものだ。
ココ・リフォーは、それを聞いて眉を顰め、またチキュの方を確認した。
今度は、カウンターの端に座っている初老の男と肩を組み、「がはは」と笑いながら酒を注いでいる。
結局、確信を得られないまま、ココ・リフォーは料理を完食して、何度も首を傾げながら店を出た。
プレートに盛られた焼魚と貝類の煮込みを持って来たのは、ほっそりとした長身の男だ。
頭部は布で覆われているが、よく見ると睫毛も眉もないのが分かる。
(……いや、やはり、間違いないな。
私が探していたのは、こいつらのはずだ)
煙草を咥えた男は、ココ・リフォーの頭の先から爪先までじろじろ見回した。
「…お客さん、見ない顔だな。
どこから?」
不審げな顔で尋ねてくる。
「…西、の方から」
あまり頓着ないように振る舞って、言う。
「………そうか。
ま、楽しんでってくれよ」
男は少し気にかける様子を見せながら、厨房へと戻って行った。
途中で、窓際の少年の頭を軽く小突き、話しかける。
「ちょっとは動けよ、セカイ。
チキュが忙しそうだぞ」
窓際の少年は、店内に視線をうつし、「…あ」と言ってゆっくり動き出した。
その声は、少し高く甘めの声ではあったが、やはり少年のものだ。
ココ・リフォーは、それを聞いて眉を顰め、またチキュの方を確認した。
今度は、カウンターの端に座っている初老の男と肩を組み、「がはは」と笑いながら酒を注いでいる。
結局、確信を得られないまま、ココ・リフォーは料理を完食して、何度も首を傾げながら店を出た。



