天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

身軽なチキュの戦利品を味わいながら、陽の射す明るい道を三人は再び歩き出した。



果実を囓るしゃくしゃくという音が、風に乗って流れていく。



「うまいな」



チキュがにこにこと言う。



「うん、甘くって、おいしい」



セカイも目許を微笑ませながら答えた。



ウチューは黙って果実を噛み締めている。




チキュの短い黒髪が、春の昼下がりの柔らかい風に揺れた。



セカイも心地よさ気に柔らかな髪を靡かせている。





路傍の木々は新緑色に輝き、木漏れ陽が地面に複雑な模様をつくっていた。




果実を食べ終わったウチューは煙草に火を点け、歩を緩めて二人の後ろ姿を見つめた。




(本当に大きくなったな)と思う。




(あれから、もう十五年以上たつ………)



ウチューの胸に、何とも言えない複雑な思いが過ぎった。