天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

帰り道をゆっくり並んで歩く三人の頭上に、一羽の小鳥が飛んできた。



まだぎこちなくあどけない鳴き声を聞き、チキュが「あっ、赤ちゃん鳥だ! 」と目を輝かせる。



「へったくそな鳴き方! かわいいなぁ」


嬉しそうに小鳥を目で追うチキュに、セカイが答える。


「赤ちゃん鳥が鳴くなんて、もうすっかり春だね」



「そうだなあ」


チキュはそう言って微笑んだ。



今度は、側に佇む樹に関心を移す。


「あっ、リウマの実が成ってるぞ!」


春の果実が緑の葉の間に実をつけているのを見つけて、早速するすると樹に登りはじめた。



少しはらはらしながら真下で待っているセカイに、摘んだ果実をぽいぽいと落としていく。




セカイの腕の中は、すぐに真っ赤に熟れた果実でいっぱいになった。