天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

主人に勧められ、チキュはにへらと顔を崩す。


「えへへー、そんなあ、いっつも味見さしてもらって悪いもんなあ、今日はやめとこうかなあ」


チキュがにやにや笑いながら頭を掻いていると、 ウチューがぽかんと小突いた。


「なーに調子いいこと言ってんだよ。

これが目的で買い出しに付いてきてるくせに!」



セカイもチキュの胃のあたりに耳をつけ、呟く。


「…うわぁ。お腹がぐるぐる鳴ってる。

さっきお昼食べたばっかりなのに…」


「えぇっ、そんなことないよ!! えっ、マジで鳴ってる!?」とチキュが慌てる。


「なにっ、チキュめ!

俺の料理を食っておきながらまだ足りないとは、本当にいやしい奴だな!」


ウチューに今度は軽く蹴りを入れられ、チキュは「ぎゃっ」と飛び退いた。


「なんだよぉ、ウチューもセカイもひでーなぁ。

せっかくオレが珍しく謙遜してみたのによぅ」


「…そういうのは、謙遜、じゃなくて、遠慮、って言うんだよ」



間違いを指摘され、チキュは仕返しとばかりにセカイの髪を引っ張った。