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賑やかな昼食の時間を終えた三人は、夜の営業に向けて、ゆっくりする間もなく買い出しに出かける。
彼らの食堂は、小さいながらもひっきりなしに客が訪れる人気店だ。
これまで様々な土地を放浪してきたその経歴を活かして、彼らは住み着いたその土地その土地で、これまで立ち寄った数々の地方特有の珍しい料理を提供する、多民族料理食堂を営んできたのだ。
今晩のメニューは、俗に《極東》と呼ばれる地方の料理である。
極東は、ルルティアの東方にある半島の突端にある海岸地区と、その沖にある島々を指す。
主に漁業によって生計を立てる人々が暮らしており、彼らは《東の海の民》と呼ばれている。
豊富で新鮮な海の幸の味を上手に引き立てる彼らの料理は、極東料理と呼ばれて広く知られている。
しかし、その独特な調理方法や、味付けに使われる調味料を詳しく知るものは少なく、珍重がられていた。



