天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「……ついでにさ。

もう一つ聞いていいか?」



チキュがさらに言うと、ウチューは「んん?」と複雑そうな表情で答えた。




「……ウチューって、なんで髪が生えてないんだ?

睫毛も髭も体毛も」



「えぇっ? うーん、なんでかなぁ…」



ウチューはさらに情けない表情を作り、もごもごと答えた。


気分を害してしまったのかと、少し慌てたチキュは、弁明するように続ける。



「いや、オレ的には、別に毛なんか生えてなくたっていいんだけどさ。

睫毛も眉毛もない眼って、なんだか印象的できれいだし」



チキュが微笑みながらそう言うと、ウチューは「そうか?」と首を傾げた。



「でもさ、それが病気とかだったら困るもん。

ウチューが元気じゃなくなっちゃったら、オレ嫌だよ」



微かに不安そうなチキュの顔を見て、ウチューは首を横に振った。



「いや、病気ではないよ。

それは心配しなくていい」



「じゃ、なんなの?

生まれつきの特異体質とか?」



「いや、そういうわけでも……。

うーん、言うなれば……」



そこでウチューは一度言葉を切った。


そして、声を低めて呟くように続ける。



「………天罰、かも知れないなあ」




ウチューは遠くに思いを馳せるような目をした。