ーーー後には、血の痕とセカイの身体だけが遺された。
そこに、一羽の揚羽蝶が、生温い風に乗ってきた。
夕陽のような黄色と、よく晴れた空のような青の、美しい蝶である。
揚羽蝶は、無惨に傷つけられて横たわり、ぴくりとも動かないセカイの拳に舞い降りた。
その手には、血塗れの剣の柄が握られていた。
そして、再び吹いた風に乗って舞い上がると、今度は長い栗色の睫毛に、ふわりと止まった。
ゆっくりと動く極彩色の翅の下、血に塗れて虚ろに見開かれたままの紫の双眸が、遠のいてゆく男たちの姿を無機質に写していた。
ーーーーー第1巻 終
第2巻へ続く
『天と地の叙事詩Ⅱ』
http://www.no-ichigo.jp/read/book/book_id/992070?noichigo=.html
そこに、一羽の揚羽蝶が、生温い風に乗ってきた。
夕陽のような黄色と、よく晴れた空のような青の、美しい蝶である。
揚羽蝶は、無惨に傷つけられて横たわり、ぴくりとも動かないセカイの拳に舞い降りた。
その手には、血塗れの剣の柄が握られていた。
そして、再び吹いた風に乗って舞い上がると、今度は長い栗色の睫毛に、ふわりと止まった。
ゆっくりと動く極彩色の翅の下、血に塗れて虚ろに見開かれたままの紫の双眸が、遠のいてゆく男たちの姿を無機質に写していた。
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