天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「いただきまーす!」



手を合わせ、大声で挨拶をしたチキュは、口いっぱいに料理を頬張った。



「うんっ、うまい!

やっぱりウチューの料理は絶品だな!」


顔中を綻ばせて言う。




食卓に並んでいるのは、質素でありながらも、ほかほかと湯気の立ち上る色鮮やかな料理だ。



炊きたての穀物と、前日の残り物の野菜と鳥胸肉の甘辛い炒めもの。


秘伝の出汁で朝から煮込んで最後に溶き卵を流した、七色の豆のスープ。


朝方おすそわけしてもらった根野菜をさっと茹でて、塩と刻んだ香草をかけたサラダ。


そして、カエナのお母さんのパン。




「うまいに決まってるだろ?

俺は、地国中の味を吸収してきたんだからな」



ウチューが自慢気に言う。




それを聞いて、チキュは口いっぱいに頬張りながら尋ねる。



「なぁなぁ、ウチューってさ。

俺らを育て始める前から、色んな所を旅して回ってたんだよな?」



「…あ? まあ、そうだな」



突然問われて、ウチューは目を丸くする。



「何でそんなに旅ばっかりしてんだ?」



「……え? ……うーん。


まあ、なんだろうな。

別に理由はないけど……。


まあ、そういう性格、ってことにしといてくれ」



ウチューの返事は何故か歯切れが悪く、チキュは「ふーん?」と訝し気だ。