ミチハの兵団は、負傷者を助けながら立ち去った。
去り際に、古傷の男は一度足を止め、地を見下ろした。
身体中を斬られ、突かれ、満身創痍となったウチューが転がっている。
それを見てしばらく思案する素振りをした後、顔を上げてタツノに声を掛けた。
「………一つ、お願いがあるのですが」
タツノはぴくりと眉尻を上げ、男の表情を窺った。
「ーーー我々は、遥か天国からこの地上に降り、結局何も得られずに戻るしかありません。
これでは、我らが主人も納得なされますまい。
できれば、この男の死体だけでも持ち帰り、我らが確かに地国で仕事を遂行したのだという証拠と致したく存じます」
タツノは眉を顰めて束の間深慮したが、「いいだろう」と頷いた。
この男は、『エーテル』をたまたま拾っただけの単なる育て親。
天国にはなんら関係のないただの地の一族の青年だ。
というのが、タツノの保持している情報だった。
(………この死体を持って帰られたところで、こちらには何の悪影響もないだろう)
去り際に、古傷の男は一度足を止め、地を見下ろした。
身体中を斬られ、突かれ、満身創痍となったウチューが転がっている。
それを見てしばらく思案する素振りをした後、顔を上げてタツノに声を掛けた。
「………一つ、お願いがあるのですが」
タツノはぴくりと眉尻を上げ、男の表情を窺った。
「ーーー我々は、遥か天国からこの地上に降り、結局何も得られずに戻るしかありません。
これでは、我らが主人も納得なされますまい。
できれば、この男の死体だけでも持ち帰り、我らが確かに地国で仕事を遂行したのだという証拠と致したく存じます」
タツノは眉を顰めて束の間深慮したが、「いいだろう」と頷いた。
この男は、『エーテル』をたまたま拾っただけの単なる育て親。
天国にはなんら関係のないただの地の一族の青年だ。
というのが、タツノの保持している情報だった。
(………この死体を持って帰られたところで、こちらには何の悪影響もないだろう)



