天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

タツノが満足気にチキュの身体を抱き上げる。




チキュは全身が血に濡れていた。




どこかに怪我でも負わされたのかと思ったが、よく見てみると肌にも衣服にも傷はなかった。




ほっと安堵してタツノは顔を上げた。






(………人目に立つことなど構わず、もっと人数を増やすべきだった………)





タツノの姿を凄まじい怒りの籠った目で睨みつけながら古傷の男は悔やむが、今更どうしようもない。





天国で首を長くして待っているミチハに報告したら、どんな咎めを受けることになるだろうか。




その瞬間のことを想起し、臓腑が一気に氷漬けにされたように感じた。