天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

古傷の男は、左腕にチキュを抱えながらの攻防に苦闘した。




右腕しか使えないので、どうしても力が弱くなる。





屈強な男の容赦ない太刀筋によろめいた途端に、左腕を斬られた。





「……くっ!」と呻き、思わずチキュの身体を地面に落としてしまう。





すぐさま拾おうと身を屈めたが、すでに遅かった。





猛烈な勢いで馳せてきたタツノに、呆気なく奪われてしまった。





右の口角だけを上げる生意気な笑みで、タツノが男を見下ろす。




男は悔しさに歯軋りをした。