天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

タツノは焦燥を感じた。



ミチハの兵団が地国に降りているということは、目的は無論『エーテル』だろう。


先を越されるわけにはいかない。



一刻も早く『エーテル』をーーー少女を見つけなければ。







タツノは、少女の姿を思い出した。



黒々とした艶のある髪、吊り上がった眉、黒瞳がちの大きな双眸、白い肌、赤い唇。



本人はあまり意識していないようだが、かなり目立つ容貌である。




しかも、紫の瞳と金栗色の髪を持った連れの少年も、非常に印象的な姿形をしていて独特の雰囲気を持っていた。




タツノは、街角で一目見ただけで、彼らが目的の人物だとすぐに勘付いたのだ。





おそらく、ミチハ側もすぐに彼らを見つけるだろう。





タツノはもう一度、強く鞭を振りかざした。