天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「タツノ様!!」




最後尾を守っていたキムロが駆け抜けてきて、タツノの横に並んだ。




「どうした、キムロ」



「たった今、天国からの使者が着いたのですが、………これを御覧ください」




キムロが差し出した巻物には、父ムラノの印章が捺されていた。




タツノは黙って受け取り、すぐに開く。




「………なんだと?


フジハ家のミチハの兵団が、地国に?」




「そのようです。


十人程度の兵団で降りる所を目撃した者がいたらしいのです」





タツノは「ふん」と鼻を鳴らした。





「………おおかた、父上とお前の密談でも盗み聞きされていたのだろう。


父上の部屋付きの女官あたりが怪しいな。


全員拘束して、洗いざらい吐かせたほうがいいだろうと、伝えておけ。



………まぁ、もう遅いだろうが。


おそらく、任務を果たしてすぐに消えたはずだ」