天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

必死に身を起こそうとするセカイの傷口から、新たに鮮血が滲み出てくるのを見て、チキュは息を呑んだ。





「………セカイ。


やめろ、やめろ………」





咽喉が絞られるように痛み、声が掠れてしまった。





「セカイ、危ないよ。


これ以上やられたら、死んじゃうよ………いやだよ………。



なぁ、もう、いいんだよ…………」





しかしセカイには、涙に湿ったようなチキュの声が届かない。




振り払おうとする男の足首を、きつく掴んだままだ。






チキュは今度は、自分を抱える男に声をかけた。





「なあ、あんた、やめてくれよ………。


こんなこと、もう、やめてくれ。



ーーーオレはどうなってもいい。


これ以上、セカイには手を出さないてくれ………」





堪えきれず、チキュの咽喉からは嗚咽が漏れた。