天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

ウチューは怒りの籠った眼で男を睨みつける。





卒然と立ち上がり、全速力で駆けた。




チキュの腕を掴んだ男に、満身の力を込めて襲いかかる。





しかし、古傷の男の一瞥を受けた周りの兵士たちは、すぐにウチューを取り囲んだ。




躊躇いもなく剣が振り下ろされ、槍が突き出される。







ウチューは全身に刃を浴びた。







ーーー肩に、背に、腕に、腰に、脚に。






切り裂かれ、突き刺され、ウチューの身体は脆くも崩れ落ちた。






「………ウチュー…………」





もはやチキュには叫ぶ力すら残っていなかった。




意識を失って倒れたウチューの傍らに座り込み、首を傾げて問い掛ける。






「ーーーウチュー、なんでだよ………。


なんで、そこまでするんだ………」






しかしウチューは何も答えない。




ただの肉塊のように、押し黙ったままだ。