天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

真っ赤な鮮血が、飛沫のように散る。






「ーーーセカイ!!」





ウチューが絶望的な声を上げた。





チキュは、無残に斬られたセカイを真近に見ていた。



そして、その全身に、降りしきる雨のような血潮を浴びた。





ーーー真っ赤な実のような血の滴が、一粒、一粒、不思議にゆっくりと落ちてくるのが、はっきりと見えた気がした。







チキュはとうとう剣を取り落とし、戦意を失った。









「………もう、……いいよ……」




生気を失くした顔で、掠れた声で呟いた。





「ウチュー、セカイ……もう、いいよ…。


オレ、もう、耐えられない………」






血をだらりだらりと滴らせたウチューが、チキュを見る。




「…………チキュ。


そんなこと言うな………。



俺が、何とかしてやる………!」





ウチューは片腕で剣を構えた。



チキュの周りを早速取り囲んだ男たちに、駆け寄って剣を振り上げる。





「やめろ!!」




チキュの悲愴な声が、人々の耳をつんざいた。