天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

その瞬間。




離れた所から情勢を見計らっていた古傷の男が、ウチューに向かって駆け出した。



横ざまから不意に攻撃され、躱しきれなかったウチューが肩に剣撃を受ける。





真紅の血が飛び散った。





衝撃に、ウチューは反撃しながらも倒れ込む。








「ウチュー!!!」






見たこともないほど大量の血液を見て、チキュは愕然とする。




思わず足が竦んでしまった。




セカイが慌てて強く手を引いたが、もう遅かった。







剣を握り締めた腕を力なくだらりと垂らし、茫然と立ち竦んだチキュに、男たちが一斉に詰め寄った。




傷を受けた肩を抑えながら、ウチューが立ち上がり、叫ぶ。




「セカイ!! チキュを………っ!!」




セカイはチキュの前に立ちはだかり、剣を構えた。




しかし、セカイの甘い構えなど男たちは物ともしない。



セカイの剣は軽く払われ、そこに別の男の剣が振り下ろされた。





セカイの細身の体は、胸から腹にかけて大きく切り裂かれた。