天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

寄り添い合うチキュとセカイは、呆然とその様子を見ていた。



「……ウチュー、どうしちゃったんだ?」


チキュが小さく呟く。




いつも温厚で穏やかなウチューなのに、まるで人が変わってしまったようだった。


野性の獣のように、一分の無駄もない流麗な動き。




セカイも何も言えずに、ごくりと唾を飲み込む。





腕組みをして観察していた古傷の男は、少し驚いたように眉を上げた。



「……お前、只者じゃないな」



ウチューはそう言われても、何の反応も見せずにいた。



黙って大きく一歩踏み出し、すぅ、と剣を横に薙ぐ。


ゆったりとした動きに見えたが、相手の男は微動だにしなかった。


いや、気圧されて動けなかったのだ。




ウチューの目の前にいた男二人は、切っ先に胸と腕を浅く傷つけられ、痛みに力が緩んだ隙に、剣を跳ね飛ばされた。



二本の剣が宙を舞い、ウチューの足下に突き刺さった。




さらに、二人の兵の剣を薙ぎ払ったその勢いで、後ろに差し迫っていたもう一人の肩を斬る。



その男の剣も、無機的な音を立てて地に転がった。