天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether









セカイの願いも虚しく、運命の瞬間は時を置かずに呆気なく訪れた。





人気のない夕暮れの道。



遥か彼方、山の向こうに、目を刺すほどに赤い夕日が沈もうとしていた。



三人の足下に並ぶ影は、ぞっとするほど長かった。





道の両側には、険しい崖がそそり立っている。




旅路を急ぐ三人の前に、十人以上もいるであろう男たちの集団が立ちはだかった。



地国ではあまり見ることのない、武器を身につけている。






セカイはすぐにチキュを背後に隠した。



寄り添う二人を庇うように、さらにウチューが前に出る。





「ーーー何か用か? あんた方」




半眼になったウチューが、煙草を指で弄びながら低い声で言った。





腰に帯びた剣に軽く手を掛けながら、男たちの代表者らしき者が歩み出る。



頬に、切り傷らしい大きな古傷の痕があった。




「………我々は、あなた方に危害を加えるつもりはない。


その後ろに隠れている少女が、大人しくこちらに投降するならな」




チキュはびくりと肩を震わせた。