天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「大丈夫か、セカイ。

風邪でも引いたんじゃないか?」




ウチューも心配気に声をかけてきたが、セカイはふるふると首を振った。




「………違うよ。

風邪とかじゃないんだ。


………空気が、不安がってるーーー」




「空気が不安がってる………?」




チキュは眉間に皺を寄せてしばらく考えていたが、諦めたように肩を竦めた。




ウチューにもチキュにも理解はしてもらえなかったが、セカイにとって、その胸騒ぎは無視しようもなかった。






(ーーー何かが起こる。いや、もう始まってる………)





それはセカイにとって、心底から望ましくないことだ。





(………逃れることはできないのかな)





今、自分たち三人が必死で振り払おうとしているもの。



それは、すぐ近くまで迫って来ているのだと、セカイは確信していた。





(………少しでも、遠くへーーー)





宿命の流れに逆らおうと、激動の渦に巻き込まれまいと、セカイは歩みを速めた。