天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

今日も天候は良くなかった。



雨は降っていないものの、空はどんよりと鼠色に沈み、水気を含んだ空気が重かった。




セカイは憂いを含んだ顔で、長い髪をぶわりと揺らす、じっとりと湿った風を受けている。




「セカイ、どうした?

調子悪いのか?」




珍しく険しい表情のセカイに気づき、チキュが心配そうに覗き込んでくる。




「………ううん、違うよ。


ただ、空気が………なんか、不穏だなぁ、と思って………」




セカイが暗い目をしてぽつりと呟いた。



チキュは思い切り首を捻り、「はぁ? どういう意味?」と言った。




「………なんか、胸がざわざわする。


妙な風だ。嫌な予感がする………」




セカイは、悪寒に粟立った肌を何度も撫でた。