天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

自分の身体が女性だと突然知らされたチキュも、しばらくは戸惑いを隠せなかったようだが、今は以前の通りに戻った。





「なぁウチュー。


港に着いたらどうするんだ?」




旅団を見送った後、チキュがぱっと振り向いて訊ねた。



ウチューは荷物を抱え直しながら答える。




「とりあえず、港から出る漁船か、商船に乗せてもらおう。


とにかく東から離れて、一気に西側に渡りたい」




「なんで西なんだ?」




チキュが小首を傾げた。




「お前たち、あっちは今まで行ったことがないだろ?


だから西に行けば、俺たちの足がついてしまう可能性も低いからな」




「そっかぁ、なるほどな。


オレを探してるっぽい連中がもし訊ね回ったとしても、オレたちのことを知ってる奴が少ない方が安心ってことだな」




チキュは訳知り顔で頷いた。