ウチューは、二人の会話を背中で聞いていた。



咥えたままの煙草の先が長く灰を湛えているのにも気づかず、ぼうっと宙を見つめている。





長年隠し続けてきた大きな秘密が、徐々に綻びを見せ始めてきた。



そのことに、恐怖の思いを隠せずにいたのだ。





(ーーーもう、だめかも、しれないな………)




自然とそういう感慨が湧いてくる。





(………これまで俺が必死で守ってきた秘密は、とうとう明かされてしまった)





いつまでもこのまま、三人での平穏で幸せな暮らしを続けたいと思っていたが。




やはり事態は、そんなに都合良くは動いてくれないのかも知れない。







ウチューは底知れぬ不安に押し潰されそうに思った。