天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

ウチューは頭のターバンをがしがしと弄りながら、困ったような顔で言う。




「………いやさぁ、欺くならまず味方から、って言うだろ?


それに………お前が本当は女だって知ってたら、なんで男として振る舞わなきゃいけないのか、疑問に思って絶対問い詰めてくるだろ」




「そりゃそうだよ!

男の振りする理由が分からないもん!


なぁ、なんでなんだよ!!」





ますます食い下がってくるチキュを、困り果てた顔でウチューは見た。




「だからさ………。

それを聞かれたくなかったんだよ、俺は。


とにかくお前は、女だと知れたら、………俺たちとは一緒にいられなくなるんだ。

その可能性が高くなるんだよ」




「………なんで?


なんでオレが男だと、ウチューやセカイと一緒にいられないんだ?


オレはずっと三人でいたいよ………」




チキュは大きな瞳に涙を浮かべていた。



ウチューはその頭を撫でながら言う。




「俺だってそうだよ。

セカイだって、そう思ってる。

いつまでも一緒にいたいって。


だから俺は、どこにも綻びが出ないように、お前自身も男だと思い込んでいて欲しかったんだよ」