天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

チキュはあんぐりと口を開いた。



そのまま静止してしまう。





ウチューも黙ってチキュを見つめている。




奇妙に静かな時が流れて行く。





セカイは、この空気をなんとかしようと思ったのか、唐突にチキュの口の中に指を入れてみたりした。



それでもチキュは微動だにしない。






セカイは諦めて二人の会話が再開するのを待つことにした。







しばらく経つと、ウチューが溜息を吐いて説明を始めた。




「………事情があったんだよ。

お前が女だと知られてはいけない、事情が………。


だから、とにかく俺は、赤ん坊だったお前を、セカイの男兄弟として、育てることにしたんだ」




チキュは開けっ放しだった口を辛うじて閉じ、ごくりと喉を鳴らした。



「いや、そ、それはいいんだけどさぁ。

や、よくはないんだけど。


………なんで、オレ自身まで騙されてるんだ??」




チキュが複雑な表情で首を捻る。