天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

呑気に笑いながら声をかけたウチューだったが、手を繋いだまま立ち尽くしている二人の顔色を見て、すぐに危急の事態だと悟ったらしい。





「………わかった、話は帰ってから聞く」




ウチューはそう言って出口に向かう。



セカイが頷いた。





それから、囁くように言う。




「もしかしたら、宿に帰るのもやめた方がいいかも………」




ウチューは目を半眼にしてセカイを見た。




「場所が割れてるかもしれない、と?」



「うん。そう思う」



「わかった、宿はやめよう。場所を移す」




セカイはこくんと頷いた。





「ねぇ、荷物はどうする?


宿に置いたままだけど」




「………そうだな、見張られてるかも知れない、諦めるしかないか………。


もし出来そうだったら、誰かに小遣いでもやって取りに行ってもらおう」






真剣な顔で話し合う二人を、チキュは口を開けて眺めていた。





「…………なぁ、そんなに危ない状況なのか?」





ウチューがチキュを見下ろしながら言う。




「ああ、わりとな。


………それも、帰ってから話すよ」