天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether









セカイはチキュの手を引き、背中を見せて走り続けた。




雨に濡れた迷路のような町の中を、ただひたすらに走る。






路地を見つける度にそこに入るので、チキュは最早どこを走っているのかも分からなくなってしまった。






「…………っちょ、セカイ!


これ、迷子になってないか!?」





息を切らしながらチキュが声をかけたが、セカイはちらりと振り返っただけで、また前を向いて走った。




チキュは仕方なく、セカイを信じて後ろを追いかける。





しかし、しばらくすると限界が来た。






「………セカイ〜。


オレ、もうだめ〜。



横っ腹いたい〜むり〜…………」






チキュが後ろから情けない声を上げる。




セカイは「あとちょっと、がんばって」と励ますようにチキュの頭を撫でた。