天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

チキュは睨むことも忘れ、ぽかんと口を開けて、好き勝手なことを言い立てる男を見つめている。




そんなチキュを、男は怪訝な顔で見つめ返した。




「………あんた、この俺から、これだけ手放しで褒められて、嬉しくないのか?」




チキュは見開いた目をさらに瞠って首を傾げた。




「………はぁ???


可愛いとか言われて喜ぶ奴が、どこにいるんだよ!

何も嬉しくねぇよ!


てゆーか、お前になんか見守られたくねーし!


いいから手ぇ離せよ!!」





威勢の良い声で、淑やかさの欠片もなくどなるチキュを見て、男はなぜか嬉しそうににんまりと笑った。





「ははは、元気がいいな!

こんな女、見たこともない!


この状況で、それだけ空気を読まずに振る舞えるとは、おもしろい奴だな」




「失礼だなっ!

空気くらい読めるわ!!


てゆーかなぁ、空気読めねぇのはお前の方だろ!?

オレとセカイは楽しくお買い物に行く途中なんだよっ。


因縁つけてくんな!」





チキュはぎゃんぎゃんと噛み付いた。