天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「雨、本当にすごいな………」



「うん、すごいね。土砂降りだね」



「ウチュー、大丈夫かな?

雨着やぶれかけてたよな、たしか」



「そうだねぇ。

まあ、すぐに新しいの買って着替えてるんじゃない?」





呑気に話しながら家並みの中を歩いていると、細い路地から突然人が出てきた。




「うぉっ。びっくりしたぁ」




チキュが驚いて目を剥く。





「あ、すまんな。驚かせて」




声をかけてきたのは、長い黒髪を靡かせた長身の男だった。




「あ、いえ、こちらこそ」




チキュは訳も分からないままとりあえず応える。





すると男は、じろじろと舐め回すように二人を観察し始めた。




「あんたたち、兄弟?」




見知らぬ男に唐突な問いを投げかけられ、二人はぽかんとする。




セカイは首を捻りながら、「まあ、そうですけど」と言った。