天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

にやりと右の口角を上げ、耳許で囁く。






「ーーー『エーテル』、だろ?」






キムロは驚きを隠さずに目を見開いた。





「………そ、その話、どこから………」





タツノが不敵な笑みを作った。




「ふん、俺を舐めてもらっちゃ困るな」




かつ、かつ、と爪先を鳴らしてキムロの前に回る。





「同じ天宮内にいるんだ。


本気を出せば情報なんていくらでも集められるさ。


父上様の企みにせよ、他の奴ら………たとえば、フジハの中納言殿の陰謀にせよ………ね」





キムロは目を上げ、タツノの闇色の瞳を見つめながら、訊ねる。




「………どこまで御存知なのですか」



「どこまで、って、どういう意味かな?」




問いに問いで返す。