天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

一人息子が退室するのを見届け、ムラノはふぅ、と溜息を吐く。




(………まったく、あの息子は、油断ならん)




これまで、他事以上に細心の注意を払って、決して外に洩れないように留意していたのだが。




(一体どこから、『エーテル』のことを聞きつけてきたのやら)




しかし、困ったものだと思いながらも、ムラノは口許を緩める。




(………あの明晰さ………。


そして、好奇心、行動力。


それに加えて向こう気の強さと、情報収集力。


………やはりあいつは、モノになるかもしれんな)





ムラノの首長として、将来有望な後継者を持ったことに、満足気に目を細めた。