天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「………ずっと気になっていたんです。


貴方が飽きもせずに十数年間捜し続けている『エーテル』とは、一体何者なのか」




ムラノは嘆息し、小生意気な息子を黙ったまま険しく見返す。




「なぜそれを手に入れなければならないのか」




かつりと爪先を鳴らし、タツノは歩き出した。




「………教えてください。


それの居場所、というのはどこですか?」




むろんムラノは無言を通した。




「………と、訊ねたいところですが、きっと口は割りませんね。


………仕方ない。


俺なりに、勝手にやらせていただきますよ………」





そう吐いて、タツノは扉の向こうに黙って控えていた女官を一瞥してから、部屋を出て行った。