天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「ーーー人違いだと………っ!?



何の根拠をもって、そんなことが断言できるのだ!!


お前はちゃんと確認したのか!?



確認もせずにただ思い込んでいるだけであろう!!」




全身に罵声を浴びながら、黒衣の家臣は最後の弁解をぼそぼそと口に出す。




「………は、申し訳ございません………。


………しかし、『エーテル』は女であると聞いています………。


その子どもは、確かに少年でした………」




ムラノの目がギラリと煌めく。



女官の方に顔を向け、退室するように目配せをする。



女官はすぐに扉から出て行った。





「………本当にそうなのか?

そう言い切れるのか?


その者は男であるという確たる証拠が、あるのだな?」




そう問われ、男は思わず口を噤む。




「いえ、はあ、いや、それは………」



「やはり、外見で判断しただけであろう?


それでは、分からないではないか!!」




「も、申し訳ございません!!


………少年の居場所は分かっております!

今すぐに地国に降り、しかと確認して参ります!!」