天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「………クオン。

どうしたの?


ここまで走って来たのね。

………何か、あったのね?」





クオンは驚いたように目を瞠った。





「………ふふふ。

分かるわよ。


だって私たち、ずぅっと一緒にいたんだから」





小首を傾げ、赤い双眸を細めて微笑んだミカゲを、その姿を、クオンはじっと見つめる。



白い顔、熱で仄かに紅を纏った頬、桜色の唇、繊細で華奢な身体。




クオンは目を閉じ顔を俯け、呼吸を整えた。


しかしその眉が苦し気に顰められているのに、ミカゲが気づかないわけがない。