天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

ミチハは目立たないように舌打ちを鳴らした。



クオンは、表情ひとつ変えなかった。





「………承知いたしました。


お時間を取らせてしまい、申し訳ございません。


失礼いたします、皇太子殿下」





ミチハは一歩足を踏み出した後、また歩を止めてクオンを振り返った。






「これだけは、啓上させて頂きます。


ーーーきっといつか、光宮さま以外の妃が必要となる日が訪れるでしょう。



その暁には、我が娘サダハを………」





ミチハは往生際悪く言葉を吐き、立ち去っていった。





その言葉を、まるで呪いのようにクオンは聞いた。



悪寒を堪えながら。