天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「それで、どんな御用件でしょうか」



クオンが性急に訊ねる。


今はミカゲのために、少しでも時間を節約したいのだ。



「なにかお急ぎのようですな」



ミチハは姿勢を正してクオンと向き直る。



「それでは、単刀直入に申しましょう」



ミチハの双眸が鈍く光って、クオンの無表情な顔をじっとりと見る。




「………先日、ソガノ家の参議ムラノ殿が、皇太子殿下と直に接触したという情報を入手したのですが………」




端整なクオンの眉尻が、ぴくりと動く。



しかし何も答えなかった。




クオンの反応を窺いながら、ミチハが言葉を続ける。



「………その時のムラノ参議の啓上の内容は、如何なものであったか、お聞かせ願えないでしょうか」