天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

セカイは口を半開きにして、窓の外をぼんやり眺めている。



「………おい、セカイ。

聞いてるか?」



ウチューがそう声をかけても、まだぼーっとしている。



チキュがテーブルの陰でセカイの脇腹を突ついた。



セカイが「なぁに?」とゆっくり振り返ると、ウチューはまたもや溜息だ。



「セカイ〜。


集中しろ、集中!!

お前なぁ、マイペースにも程があるぞ。


っんとにも〜お前らは……」



ウチューは目尻の涙を拭う仕草をして見せたが、二人はあははと暢気に笑っている。




自然に囲まれて育った二人は、鷹揚で朗らかで、常識に囚われない自由奔放な子どもだった。



しかしその分、何かと気苦労の多いウチューなのであった。