天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

ソメコに促されるままに、アスカは扉を開けた。




中の二人は、まだアスカの来訪には気づいていない。



寝台の傍らの椅子に座るクオンの、凛々しい背中が見えた。




そしてその向こう。


頬を仄かに桜色に染めたミカゲの姿が目に入った。



うっとりとクオンを見つめ、咲き誇るような笑みを浮かべている。





華奢な手を包んだクオンの手に、ふっと視線を落とした時の首筋が、目映いほど美しかった。






(……あんなミカゲ、見たことないな)



明らかに、アスカに見せる姿とは異なっていた。






アスカはしばらく二人の様子を見つめていた。



クオンがおもむろにミカゲの髪を梳くように撫でると、ミカゲは嬉しそうに相好を崩した。




ふっと吐息をついて、アスカは静かに扉を閉める。





そのまま、「どうなさいました?」と目を丸くして見送るソメコを後に、立ち去った。