天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

アスカは今もまた、ミカゲの元へ向かっている。



天宮の奥深く、皇族の部屋が並ぶ長い回廊に、少し小走りのアスカの足音が響いている。





目的の区域に辿り着き、アスカは足を止めた。



もしかしたら寝ているかもしれないと考え、控え目に扉を叩く。




すると、控えの間から女官が出てきた。




「あら、空宮さま」



「あ、ソメコ。お見舞いに来たよ」




人懐こい笑顔でアスカが言う。



ソメコも笑って小さく頷いた。




「ただ今、時宮さまも見えてますよ」




それを聞いてアスカは少し戸惑った。




「………そう、兄上、来てるの」




迷うように佇んでいるアスカに、ソメコは不思議そうな顔をする。




「あら、入ればよろしいですのに。


時宮さまも、空宮さまがいらしたら案内すればいいと仰言っていましたよ」