クオンとアスカと三人で出掛けた日の夜。



クオンの不安が的中し、ミカゲは熱を出してしまった。





(………本当にミカゲは、体が弱いなぁ)



クオンは思わず溜息を吐き出す。



(それなのに自己管理もできないんだから………全くどうしたものか)




だからこそ、放っておけないと思って目が離せなくなるのだ。





天つ民への発表が無事に終わったので、早々に婚約の儀を済ませたいと考えていた。


しかしミカゲが体調不良とあっては、進めようがない。




昼間のムラノ参議との遣り取りを思い出し、クオンはどうしても焦燥が高まるのだった。





ミカゲが寝込んでしまったという話は、先程アスカから聞かされた。




一刻も早く様子を見に行きたかったのだが、重臣との政策会議や有力天貴人との謁見など、複数の公務が立て込んでいた。




逸る気持ちを抑えながら、次々と予定を消化していった。