天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

彼女は、覚悟を決めた。





どんな時にでも、肌身離さず携えてきたナイフ。



それを、そっと、白く柔らかな首筋に突きつける。





ぷつ、と皮膚が裂ける感触が、ナイフの柄に伝わってくる。






手に力を込めた。








一息に、済ませなければ。



苦しみが少しでも短く済むように………。