*
翌朝。
朝早く目を覚ましたニコは、すぐに異変に気がついた。
客人たちの寝ているはずの部屋が、あまりにも静かだった。
すぐに起き上がり、部屋を覗く。
三人の姿も、荷物も、何にもなかった。
寝具もきれいに畳まれ、部屋の隅に置かれている。
あまりにも空虚で、元通りで、まるで彼ら三人など、はじめからいなかったかのようだった。
「…………お母さん! おじいちゃん!!」
慌てて二人を起こす。
トーキ爺は、空っぽの部屋を見て悔しげに俯いた。
「ギンガの奴………。
やっぱり、何も言わずに出て行っちまった………」
ニコが顔を歪める。
「………どうして?
なんで急にいなくなっちゃったの?
ずっとここにいるんじゃなかったの?
なんで、何も言わないで…?」
泣き出したニコの肩を抱き、頭を撫でながら、トーキ爺は言った。
「………あいつらにも事情があるんだよ。
それも、何か大変な事情がな。
俺たちに迷惑をかけないようにとでも考えたんだろう」
トーキ爺は、三人の行く末に思いを馳せるように、窓の外を見るのだった。



