天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether









翌朝。


朝早く目を覚ましたニコは、すぐに異変に気がついた。




客人たちの寝ているはずの部屋が、あまりにも静かだった。



すぐに起き上がり、部屋を覗く。




三人の姿も、荷物も、何にもなかった。


寝具もきれいに畳まれ、部屋の隅に置かれている。




あまりにも空虚で、元通りで、まるで彼ら三人など、はじめからいなかったかのようだった。




「…………お母さん! おじいちゃん!!」



慌てて二人を起こす。




トーキ爺は、空っぽの部屋を見て悔しげに俯いた。




「ギンガの奴………。


やっぱり、何も言わずに出て行っちまった………」




ニコが顔を歪める。




「………どうして?

なんで急にいなくなっちゃったの?

ずっとここにいるんじゃなかったの?


なんで、何も言わないで…?」




泣き出したニコの肩を抱き、頭を撫でながら、トーキ爺は言った。




「………あいつらにも事情があるんだよ。

それも、何か大変な事情がな。


俺たちに迷惑をかけないようにとでも考えたんだろう」





トーキ爺は、三人の行く末に思いを馳せるように、窓の外を見るのだった。