天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

ーーー手を繋いで、ゆっくりと歩を進める二人。





その後ろに、一人の男が忍び寄っていた。



真っ黒な外套で全身を覆い隠し、鋭く観察するような目付きで見つめている。



しばらく距離を保っていたが、意を決したように大股で二人に近づいた。





「ーーーすみません。


少し、伺いたいことがあるのですが」




「はい?」





突然声をかけられて、チキュが眉を上げて振り返った。


セカイもゆっくり振り向く。




「………あ、道っすか?

すんません、オレたち昨日アイラルに来たばっかで。

全然くわしくないんすよ」




チキュが掌を振りながらそう言うと、男は「いいえ、違うんです」と答えた。



「つかぬことを伺いますが。

あなたがたのどちらか。


………身体のどこかに、物心ついたころからの傷、などありませんか」







「ーーーーーは??」



チキュはぽかんと口を開いた。


セカイは無言で怪訝そうに男を見る。