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岸に泳ぎ着いたチキュは、びしょびしょの姿で座り込んだ。
「……………うぇ〜〜 ………」
物陰で盛大に胃の中の物を吐き出す。
「…………ぐるじ」
そこに、セカイが追い付いてきた。
「大丈夫? チキュ」
「うぇっ。………死ぬかと思った………」
セカイはそっとチキュの背中に手を当てた。
「きっと食べ過ぎだよ。
舟に乗ってるのに、朝ごはん食べた上に何でもかんでも食べるから、気持ち悪くなっちゃったんだよ」
「………う〜ん、だって、旨そうだったから………」
「これを機に、少しは学習しなよ」
ぽんぽんと背中を叩く。
「………はぁ、ちょっとましになった。
とりあえず、座ってるとまだ揺れてる感じして気持ち悪い………歩こう」
そう言ってチキュはよろよろしながら立ち上がり、歩き出した。
「………チキュ、どっち行くの。
トーキ爺の家はあっち」
セカイに指摘されて、チキュは「あ、そーか」と方向を変えた。



