天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

その様子にいち早くセカイが気づき、顔を覗き込む。



「………チキュ、どうかした?」



しかし、返事がない。



「チキュ? 大丈夫か?」



ウチューも心配そうに声をかける。




チキュは力なく顔を上げた。


先程とは打って変わって蒼白な顔である。



「……………き、もち悪い………」


「えぇっ!? ど、どうした!」


「うぇ〜、吐きそ………」



チキュは口元に手を当て、舟の外に身を乗り出した。



「船酔いだろうなぁ」とトーキ爺が言うと、ニコが驚いて目を丸くする。



「えっ、今ごろ!?

気付くの遅くない!?

どんだけアホなのよ!」



「まったくだな……」



トーキ爺は苦笑した。



「よし、とりあえず急いで家に戻るか」



しかし、チキュは横に首を振る。



「む、むり………。

これ以上、乗ってられない………」



そう言って、突如、ぽろりと舟から転がり落ちた。