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アイラルの水上市場では、地国の各地の様々な特産物が売られている。
ルルティアの《平原の民》が農耕によって作った農作物。
アマラマの《山の民》が採集する山菜。
《森の民》の木の実や酒。
ハーミルの《高原の民》が保存食に加工した、放牧動物の肉。
カルフィ海岸の《海の民》の海産物。
また、アイラルの水上市場でしか手に入らないものとして、遠い西部の特産品が貴重である。
つまり、ラビ砂漠で遊牧をしながら、交易路を往き来して荷を運搬することで生計を立てている《砂漠の民》が遠い極西部から運んできた品々だ。
ーーー例えばナサド湿地帯の《湿地の民》が特有の植物を使って織り成す布や、アルト湖周辺に住む《湖の民》が作る水産物の干物。
《砂漠の民》がオアシスから運んでくる綺麗な水も、生活排水が流されるため濁っているアイラル河の水に比べると、臭みがなく口触りが柔らかく甘みがあり、上質の飲料水として人気があるようだ。
これらの物は、全てアイラル河の流れに乗って運ばれる。
ルルティアの大通りで売られていたものも、ほとんどがアイラル河の支流を経由して、アイラルの水上市場から届けられるのだ。



