天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

「あっ、あっちで海魚売ってる!」



チキュが遠くで売られている淡水魚売りの舟を目聡く見つけ、大声で言う。


トーキ爺がチキュの目線を追い、応えた。



「あぁ、あれか。

あいつの売る海魚は美味いんだ」




そう言って、そちらの方へ舟を漕いでいく。




「アイラルでは川魚はいくらでも獲れるから買うことはないが、海魚はそうはいかんもんなぁ。

大物ひとつ買ってくか」



「やった!!

よし、じゃぁ昼は川魚と海魚の食べ比べだな!

あー、楽しみ」




先ほど朝食を終えたばかりだというのに、チキュは早速お昼の食卓に妄想を膨らませている。




その時チキュの鼻は、真近に芳ばしい香りを嗅いだ。



「ん? 何のにおいだ?」



鼻をひくつかせながら見回す。




後ろに座っていたセカイが目に入った。



ぼんやりと空を仰いでいる。




そして、もくもくと口を動かしている。





「………っあーーー!!」




チキュが叫んだ。




「セカイ! お前……っ!!


なに食ってんだよっ!!!」