天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether

積荷を減らしてしまったのでは、たくさん売ったところで利益が減るのは変わらない。



なのだが、チキュの勢いに押されてしまい、トーキ爺は頷くしかなかった。



「わかったよ、頼んだぞ、チキュ」


「よっしゃぁ、そう来なくっちゃ!」



チキュは満面の笑みだ。



ニコも「やったぁ!!」と飛び跳ねている。



「よし、じゃあ。

売れ残りの商品でも持っていくかな。

それを売り切ってくれよ!!」



トーキ爺が言うと、チキュは「任せときな!」と大きく頷いた。



ここまでのやりとりを黙って聞いていたセカイは、「また適当なこと言って………」という顔でチキュを見る。




「なんだよセカイ。

なんか言いたいことあんのか?」




チキュが喧嘩腰で問いかけると、セカイが小さな声で答える。




「………物を売ったことなんかないのに、任せときな、なんて気軽に言っちゃって………。


ほんとに大丈夫なの?

すぅぐ調子に乗るんだから………」




「んなっ、大丈夫だよ!


なんか大丈夫な気がするんだよ!!

お客さんががんがん買ってくれるような予感が!!」




「ほんと、口から先に生まれて来たって言葉は、チキュのためにあるみたいだね………。


そもそも、トーキ爺が何を売ってるか知ってるの?」




そうセカイに言われ、チキュが目を丸くする。




「あっ、そー言えば知らねえ!


おーい、爺さん爺さんっ!」




慌しくトーキ爺のもとへ駆け寄るチキュに、セカイとウチューは顔を見合わせて溜息を吐くのだった。