天と地の叙事詩Ⅰ Epic of the Ether









翌日、早朝。



まだ外は青白く、夜の気配を少し漂わせている。




一行は早々に朝食を終え、朝市へ出かけるトーキ爺について行く用意を始めた。




「ねっ、ねっ、おじいちゃん!!


あたしも行っていいでしょ!?

お願い、お願い!!」




舟を出す準備をしているトーキ爺の周りを、くるくるとニコが走り回る。




「だーめーだ、定員オーバーだ!!」



「大丈夫よぅ、あたし軽いもん!

それに、積荷をひとつ減らせばいい話じゃないの!


ねっ、一生のお願いよ!」




トーキ爺はニコの顔も見ずに断固拒否しているが、そんなことはお構いなしに食い下がる。




「お前なぁ、普段はなーんにも手伝わないくせに!


たまには『おじいちゃん、商売のお手伝いしよっか』とでも言って舟に乗って来るような奴だったら、俺だってお願いを聞いてやろうと思うけどなぁ。


こんな時だけお願いお願い言ったって、通用するわけないだろ!」




トーキ爺に怒鳴られて、ニコは唇を思い切り尖らせた。




「なによー、おじいちゃんの意地悪っ!


可愛い孫のお願いも聞いてくれないなんて!

いつか後悔したって知らないわよ!」




ニコはあっかんべーをしながら「いーだ」と負け惜しみを言うが、トーキ爺はそれで絆されるようなタマではない。